院内誌まほろば74号

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表紙

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「洛 日」

奈良県當麻町

 

 二上山(にじょうざん)は金剛山地北部に位置し、奈良県葛城市(旧當麻町)と大阪府南河内郡太子町に跨がる山で、北方の雄岳(517m)と南方の雌岳 (474m)の2つの山頂がある双耳峰です。約2000万年前の大噴火により形作られたと言われており、現在は死火山に分類されています。
 古墳時代から飛鳥時代にかけて、二上山周辺は、海上の交通の要所、大阪湾・住吉津・難波津から、政治の中心の舞台である飛鳥地方への重要ルートとなり、 二上山の南に、日本で最初の官道として知られる竹内街道が作られました。また二上山の石切場から切り出された石材が高松塚古墳に使われています。
 古くから、二上山の水を農業に使っている大和国側の村人が、春に「岳のぼり」と称し、二上山に登り、神を迎えており、現在も毎年4月23日に「岳のぼ り」が行われています。また、雄岳・雌岳の間に日が沈む様子から、神聖な山岳として、人々から崇められてきました。

撮影 リハビリテーション科 山本 成敏

文責 山本 成敏


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 初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した時は水痘として発症し、水痘が治癒した後も、ウイルスは体内の神経節に潜伏しています。加齢やストレス、過労など が引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再び活動を始め、神経に伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。 通常は生涯に一度しか発症しませんが、免疫が低下している場合には再発することもあります。
 一般に数日~10日間ほど痛みや知覚異常が先行し、身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状に皮疹が出現するのが特徴です。浮腫性紅斑に続き中央部が くぼんだ特徴的な水疱が出現しますが、皮膚と神経の両方でウイルスが増殖して炎症が起こっているため、皮膚症状に加えて強い痛みが出現します。顔面の帯状 疱疹では角膜炎や結膜炎、まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻などの合併症が出現することがあります。また、膀胱直腸障害などの運動神経麻痺を伴うこともあり ます。
 治療は、抗ウイルス薬が中心となります。ウイルスの増殖を抑制することで、急性期の皮膚症状や疼痛を緩和し、合併症や後遺症を軽減します。
できるだけ早期の治療開始が、重要です。


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 高齢の方や小児など、錠剤を上手く飲み込むことが難しい方は少なくありません。 そこで最近、口腔内崩壊錠と呼ばれるお薬が増えてきています。主に 「~OD錠」、「~D錠」と呼ばれる錠剤がこれにあたり、口に入れるとラムネの様に溶けていくお薬です。口腔内ですぐに溶けますが、薬が効く時間は基本的 に通常の錠剤と変わりありません。また、このお薬は水なし(唾液)で服用することができるため、服用場所を選ばず、水分摂取制限がある方も無理なく服用す ることが出来ます。
 このようなメリットから、透析の患者さんが水分量を気にせず服用出来たり、ミニリンメルトOD錠のように夜尿症の治療薬に応用されたり、下痢や偏頭痛な どの突発的な症状に対して水なしでさっと飲める薬に利用されたりと様々な用途で使われています。また、容易に溶けるという点から経管投与の際にも溶解時間 を短縮することができるという利点も持ち合わせています。
 従来では強度や安定性の問題により分包しにくい、口の中で溶けてしまうため味が良くないという問題点がありましたが、最近では工夫が凝らされこのような 点が改善されているOD錠も増えてきています。しかし一方で高齢の方は特にたくさんのお薬を飲まれていることが多く、通常の錠剤と同時に飲んだ時に違和感 を感じるなど、人によっては逆に服用しにくくなるということもあるようです。
 このように工夫されたお薬が増えることによってお薬の選択肢が広がり、より服薬スタイルにあったお薬を選ぶことができます。お薬を服薬しづらいと感じられている方への選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。


 そうめんは、夏の風物詩として思い出されることの多い麺料理です。お中元でいただくことも多いでしょう。今は即席もあり、様々なメニューのあるそうめんで すが、やはり冷やしそうめんが一般的で、テレビのコマーシャルでもよく見かけます。白く繊細な見た目に加え、そうめんつゆにつけるとのどごしが良いので、 夏バテ気味で食欲が減退しているときでも食べやすいと思います。
 しかし冷やしそうめんにすると、そうめんそのものだけや、ちょっとした薬味だけで食べがちです。そうめんは小麦粉を原料としており、それだけでは栄養が偏っていまい、肥満や、夏バテを長引かせる一因となりうるでしょう。
 そうめんはたんぱくな味ゆえに、薬味や副食のおかずがよく合います。ネギ、ショウガ、青ジソ、キュウリ、ミョウガなどの薬味を一緒に食べることをお薦め します。また、錦糸卵やハム、蒸し鶏なども添えて、たんぱく源も摂るようにします。薬味が揃えにくい場合は、副食として、夏野菜やたんぱく質を取り入れ た、おかず皿一品を添えるようにしましょう。
 そして、そうめんつゆ自体、砂糖やみりんが多く添加されて甘味が多く、また塩分も気になりますので、つけ足ししすぎないよう注意してください。
 美しく盛り付けられたそうめんは、見た目にも涼やかで、食事の面からのクールビズともなりえるでしょう。
 量を摂りすぎないよう注意しつつ、ぜひこの夏に召し上がってください。


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 運動器の機能障害は要介護の三大原因のひとつであり、その対策がわが国の政策課題となっています。
 そこで、2007年に「運動器の障害により要介護となるリスクの高い状態」と定義した【ロコモティブシンドローム:運動器症候群】通称ロコモ、という新概念(疾患名ではない)が提唱されました。
 ロコモは複合・関連しながら静かに進行します。ロコモでは、変形性関節症・腰部脊柱管狭窄症・骨粗鬆症の3疾患が筋力やバランス能力等の低下とともに、 高齢者の運動機能全体を低下させます。例えば、筋力低下は膝や腰の症状を悪化させ、バランス能力も低下し、転倒しやすくなり骨折の危険が増します。
 ロコモのチェックとして、次の7つの項目から1つでも当てはまれば、運動器の衰えを考える必要があります。
 ①片足で立って靴下が履けない
 ②屋内でつまずくことが度々ある
 ③手すりがないと階段が上がれない
 ④1kmほど連続で歩けない
 ⑤横断歩道を青信号で渡りきれない
 ⑥2kg程度の荷物を持って歩くのが困難
 ⑦ふとんの上げ下げなど家のやや重い仕事が困難。
 ロコモの怖いところは、症状が見た目にわかりにくく、水面下で障害が進行しているケースが多い事です。軽い腰痛・膝痛だと思って放っておくと、加齢とと もに重大な疾患となる可能性も秘めています。自分の状態をよく知って、日頃から予防策に努めることが大切です。政府は平成34年までに、ロコモの認知度を 現在の17%から80%まで増やそうとしています。
 メタボの次はロコモがきますよ~!

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