院内誌まほろば71号

表紙

「網越神社例祭(おんぱら祭)」

奈良県桜井市三輪

 

 大神神社の摂社である綱越神社では、毎年7月31日に「夏越えの大祓(なつごえのおおはらえ)」が、おんぱら祭として行われます。神馬引きや、古歌を唱えながら 芽の輪(ちのわ)をくぐる神事が行われ、また紙の人形に名前と生年月日を書き、この人形に罪やけがれを移してお祓いしてもらいます。これで、半年間に身についた罪やけがれを祓います。残りの半年は大晦日に大祓いをします。 一般にもこの芽の輪をくぐることができます。 ライトアップされた大鳥居と三輪山に見せるように打ち上げられる奉納の花火大会は毎年の恒例行事となっています。

撮影/医療情報室 奥田 泰弘


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 鼻出血を来す病気」 耳鼻咽喉科 医師 上村 裕和  いわゆる“鼻血”は耳鼻咽喉科の臨床上で非常に重要な症状で、耳鼻咽喉科外来を受診する総患者数の約2%といわれます。プライマリケアとして全科の医師に簡単な応急処置が要求される症状でもあります。
 解剖学的にみると、最も有名な鼻出血好発部位はキーゼルバッハ部位(リトル部位)です。この部位は、鼻腔を左右に分ける隔壁となっている鼻中隔の前下方 に位置します。その他の部位からも出血はおこりますが、その責任血管の大部分は外頸動脈系であることが知られています。
 鼻出血の原因は様々ですが、特発性鼻出血が鼻出血全体の70~85%を占めています。
 教科書的には鼻出血を来す疾患の比較的上位に白血病が記載されていますが、鼻出血を初発症状として耳鼻咽喉科を受診する白血病患者様はほとんどおられま せん。その他の原因が明らかな症候性鼻出血として、高血圧症、出血性血管拡張症(Osler病)、血小板減少症、血友病、DIC、鼻腔異物(小児)、上咽 頭血管繊維種(青少年男性)、鼻・副鼻腔悪性腫瘍、上咽頭悪性腫瘍などが挙げられます。しかし、高血圧症以外の疾患は、いずれも遭遇する確率の低い疾患で す。
 出血点を確認して効果的に止血するためには、出血点を電気焼灼したり、止血用バルーンやベロックタンポンを挿入したりすることが必要になる場合がありま す。時にはカテーテルを用いた選択的動脈塞栓術による止血術を施行することも行われます。


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 「くすり」と聞いてどんな印象を受けますか?
 私達薬剤師は、大学で最初に≪「くすり」は「りすく」である。≫と授業で習います。 クスリを反対から書いてください。リスクになりますね。
 お薬は治療や予防のために用いられますが、その使用のために、逆に副作用が生じることがあります。
 副作用とは、対象とする病気の部分以外に作用した結果生じた作用のことをいいます。 副作用の発現は、個人の遺伝的背景、併用薬物や生活習慣など様々な要因により変動することが明らかになってきています。
 薬は適切に使用するとクスリですが、誤って使用すると毒物になります。
 少し時はさかのぼりますが、こんなデータがあります。 1994年米国解析された主要死因順位です。
  1位:悪性新生物(癌)
   2位:心疾患
   3位:脳血管疾患 となっています。
さて、医薬品の副作用による被害がどうなっているかといいますと、統計方法にもよりますが死因の4位~6位に相当するといわれています。
まったく副作用のない薬など稀有に等しく、薬を服用するさいには多かれ少なかれリスクを認識しなければなりません。
  お薬は、体格・内服時の身体の状態・併用薬など様々な要因で量を決定します。 病院でお薬をもらう際には、他の病院でどんな薬をもらっているか・常備薬・サプリメントなどは必ず報告するようにしましょう。
 そして、用法・用量を守り、有効かつ安全にクスリを使用していきましょう。


 発酵食品は、日本ではとてもなじみのある食品です。例をあげれば、みそ、しょうゆ、酢、納豆、ヨーグルトなどごく身近にあります。湿気が多く菌が繁殖しや すい日本の環境では、とくに麹菌(きくきん)という穀物に繁殖する微生物が育ちました。麹菌を蒸した米、麦、大豆などにつけて菌を繁殖させたものが麹(こ うじ)で、この麹をさらに米や麦や大豆などに混ぜて発酵させると、しょうゆやみそになります。麹菌という微生物は人間に役立つカビの一種ですが、同じよう に役立つ菌類が他にもたくさんあります。酢を作る酢酸菌、納豆を作る納豆菌、ヨーグルトを作る乳酸菌がそれにあたります。これらの菌類は、発酵の過程で酵 素を生み出します。発酵食品に含まれる酵素は食材の化学反応を助ける役目をします。発酵食品を利用した食材にうまみが出たり、食材そのものが柔らかくなっ たりするのは酵素の働きによるものです。麹菌にはとくに酵素の数が多く、複雑なうまみを作り出します。そして同じく発酵の過程で得られたビタミン類やその 他の成分は、人間の体にさまざまな健康効果をもたらします。例えば、免疫力の向上、生活習慣病の改善、アンチエイジングやダイエット効果などです。いろい ろな発酵食品の組み合わせで、たくさんの効果が期待できます。発酵食品やそれを使った食品の塩分や糖分、脂肪の量に注意しながら普段の食生活に上手にとり いれていきましょう。


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「作業療法と作業活動について」

作業療法士 東尾 敬一

 

 理学療法士及び作業療法士法において、「作業療法」とは、『身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること』と定義されています。(…少し難しい話ですよね。)
 もう少し簡単に説明すると、作業療法士は、認知症の予防や改善、高次脳機能障害の回復、手のリハビリ、患者さんの離床時間の延長や意欲の引き出しのため に、「作業活動」とよばれる手芸・絵画・工作などを治療に用いて患者さんと接し、心身機能の回復や日常生活動作能力の向上を図ります。 当院の作業療法室をのぞいて頂くと、明るく楽しく絵画やちぎり絵、習字、工作に取り組んでおられる患者さんの姿をご覧頂けると思います。そこには、真剣な 表情や明るい会話、たくさんの笑顔があって、病室で見る患者さんの姿とは少し違った一面を見ることができるかもしれません。
 加齢や病気によって失われてゆく認知力や身体能力、それに負けじとがんばる患者さんの「その人らしさ」を尊重し支援していくことが作業療法士の役割の一 つです。患者さんが一生懸命に作業活動に取り組み、作りあげた作品には、健康を願う気持ち、自分らしさの表現、生きがい、家族さんへの思いなど、患者さん の色んな思いが込められていると思います。
 当院で開催されている健康フェアでは、作業療法ブースを設け、患者さんの作品を展示しています。是非、ご覧になってみて下さい。

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