院内誌まほろば64号

表紙

「信貴山朝護孫子寺」

奈良県生駒郡平群町信貴山

 

聖徳太子が、物部守屋を討伐する途中この山に登り戦勝の祈願をした時、天空遥かに毘沙門天王が出現され、必勝の秘法を授かり、勝利した。その日が奇しくも 寅年、寅日、寅の刻であったため、太子は自ら天王の御尊像を刻み伽藍を創建し、信ずべし貴ぶべき山「信貴山」と名付けられた。
以来、毎月寅の日を御縁日と定め、12年に1度の寅年には、勝縁の年として、盛大に法会が巌修されています。
朝護孫子寺の由来については、醍醐天皇の病気を命蓮上人が毘沙門天王に平癒の祈願をしたところ、たちまちにして癒え、よって天皇、朝廟安穏・守護国土・子 孫長久の祈願所として「朝謹孫子寺」の勅号を賜ることとなったようです。

撮影/診療情報室 岡田真一


 胃癌は「日本人の癌」といわれるくらい日本人でその罹患率は高く、かつて1960年から1980年ぐらいまでは、その罹患率、死亡率も圧倒的に他の癌腫を 引き離していました。その原因として食習慣などの生活習慣が重要な要因と考えられ、とくに高塩分食が以前より注目されており、「おそらく確実な」リスク ファクターとして認められています。最近は食品の冷凍保存など貯蔵法の改善により塩分摂取の低下や新鮮野菜・果物の摂取の増加などによって、胃癌の患者数 は増加しておらず低下傾向を示しています。 しかし、近年、肺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌などが増加をしているにもかかわらず、まだまだ今でも胃癌の罹患 者数は多く、2003年のデータでも日本で年間約12万人が胃癌と診断されています。  一方、ピロリ菌は1983年に人の胃粘膜中に存在することが発見された細胞で、その発見者であるDr.warren と Marshall は2005年にノーベル賞を受賞しました。従来、胃炎や消化性潰瘍の原因として考えられ、外来で除菌治療されている患者さんがおられることは皆さんご存知 と思います。このピロリ菌が胃癌の原因要素であることが近年の研究でほぼ間違いないとされています。日本人のピロリ菌の保菌率は年齢によって違いがあり、 今の60歳以上で8割、40歳以上で7割が感染しているといわれ、環境整備が整った若い世代ほど感染率は低く、20歳代では2割程度と考えられています。 このため、今後しばらくは保菌者が長生きし高齢になるため胃癌患者数はすぐには減少しないと考えられていますが、今の若者が癌年齢になるころは、胃癌は急 激に減少し、欧米並みの少ない癌になると予想されています。  ピロリ保菌者に除菌治療が進むと、さらに胃癌になる人が減るといわれていますが、残念ながら現在は胃癌の予防に除菌することは保険では認められていませ ん。すくなくとも赤ちゃんに口移しで食べ物を与えたり、大人の箸で食事を与えたりすることはピロリ感染の面からもやめておいたほうがよいでしょう。


 糖尿病治療において、腎症や網膜症、神経障害などの合併症を予防するためには、厳格な血糖コントロールが欠かせません。まず食事と運動による治療が基本と なりますが、それだけでは難しい人に経口薬を使い、そしてインスリン療法に切り替えるといった、段階的に治療法をステップアップする方法が一般的でした。 ところがいざインスリン療法となると患者さんの抵抗感が強く、効果が十分でない薬物療法が続けられることも少なくありません。そこで近年、注目されている のが「BOT療法(Basal Supported Oral Therapy)」と呼ばれるものです。  「BOT療法」とは、「持効型」と呼ばれる1日1回の基礎( Basal)インスリンに経口血糖降下薬(Oral)を組み合わせた治療法です。経口薬を完全にやめてインスリン療法に切り替えると、1日複数回のインス リン注射が必要になることがあります。それがインスリン注射の抵抗感を招いてしまう一因となっているわけですが、「BOT療法」では1日1回の注射で済む ため、患者さんが比較的受け入れやすく、また、低血糖といった副作用を起こしにくいという利点があります。さらに、インスリンを分泌する膵臓の疲弊が進行 していない早期段階から導入することで、より良い治療効果が得られたり、経口薬あるいはインスリンの量を減らせることもあるようです。  ただし「BOT療法」は安全性が高いのは確かですが、低血糖のリスクがゼロではありません。インスリン導入に対するメリット・デメリットを十分理解する ことが必要となり、その上で導入すれば、経口薬からインスリン療法への橋渡しの役として大きな力となってくれるでしょう。


 最近よく言われるアンチエイジング(抗加齢)とは、一部の美容に関することだけではありません。誰にでもおとずれる加齢、エイジングですが、食生活・運 動・睡眠などの生活習慣が不健康になると人間の体は錆びついて老化を促進させてしまいます。そうはならないように年を重ねても健康的であるようにまず、食 生活で心がけましょう。  アンチエイジングの食事とは、規則正しいバランスのとれた食事をすることです。バランスの偏った食事をしていては、本来人間の持つ体の循環機能を低下さ せてしまいます。三大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂肪、それに食物繊維の多い食品を一日三度の食事できちんととるようにしましょう。ごはんやパン に主菜、副菜をつけることで三大栄養素を充分にとることができます。しかし、食べる量は適正な量を知ることが必要です。量をとりすぎると逆に内臓を傷つけ てしまうことにもなります。咀嚼(そしゃく)を意識することも大切です。よく咀嚼することにより満腹感が得られやすくなりますし、脳も刺激させて一石二鳥 です。サプリメントなどの栄養補助食品で一日三度の食事でも摂取しにくい微量栄養素(ビタミンなど)を補うのも有効な手段です。ただ栄養補助食品の成分に は充分注意しなければなりません。実際の食生活をよく知ったうえで、バランスのとれた食事を身につけるようにしましょう。


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 認知症は、何らかの脳の障害によって生活に支障が出るほど知的な機能が低下した状態で、大きくは脳梗塞などによって脳細胞の機能が低下する『脳血管性認知 症』と、脳が萎縮して起こる『アルツハイマー型認知症』に分けられます。主な症状としては、認知機能障害、性格変化、感情・意欲障害などの中核症状と問題 行動、せん妄、抑うつ状態、不穏などの周辺症状があります。  当院のリハビリテーション科では、認知症だけではなく何らかの疾患と認知症を合併した患者様をみる機会が多くあります。その患者様に対して、主となる疾 患に対してのリハビリはもちろんのこと、認知症に対してもリハビリを行っています。また、高齢の長期入院患者様に対しても認知症の予防としてリハビリを行 う場合もあります。  実際には、適度な運動や簡単な問題(学習療法)、手作業などを行っています。以前から行われていた趣味がある方には毎日少しずつ行うようにすすめたり、 趣味がない方に対しても色々な作業を提供し、自宅でも継続できるものを見つけていきます。また、レクリエーションへの参加も社会性や活動性を維持し、他者 との交流の場となり、脳の刺激となります。  認知症のリハビリで大切なのは、残された身体機能を生かして、患者様が楽しく生活できるようにすること。また、毎日の生活にリズムをつけてメリハリのあ る生活を送れるようにすることです。


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