院内誌まほろば70号


表紙

「明日香の樹氷」

 

 この日は奈良でも珍しく積雪があり、目覚めると薄っすらと屋根が白くなっていました。 この歳になっても雪を見ると居ても立ってもいられなくなり…^^;(子供か!!って感じですが)慌てて出勤準備して明日香方面に走りこの雪景色を撮影してきました。
ここで和歌を一つ 『新しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事』……大伴家持 (あらたしき としのはじめの はつはるの きょうふるゆきの いやしけよごと) 「新たな年の始めである今日という日の雪がつもるように、今年も良いことが重なるといいなぁ」という歌です。 本年もどうぞよろしくお願いします。

撮影/診療情報室 岡田 真一


 みなさん肺炎球菌をご存じですか?肺炎球菌は多くの人の鼻や喉にいる身近な菌です。 普段はおとなしくしていますが、高齢者や子どもの抵抗力が落ちた時などにいろいろな感染症を引き起こします。主な病気としては、肺炎や気管支炎のほか、副 鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。特に肺炎は日本人の死因の4位であり、65歳以上の高齢者においては肺炎球菌が原因菌の第1位を占めています。さ らに近年では多剤耐性肺炎球菌が急増しており、治療困難例も増加しています。高齢化社会の今日、その治療だけでなく予防は極めて重要だと思われます。
肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP」は、肺炎予防効果もさることながら、発症しても軽症ですみ、また、多剤耐性肺炎球菌にも効果があるといわれてい ます。 このワクチンの予防効果は5年以上持続すると言われていますが、時間の経過とともに効力は低下します。当初再接種が許可されていませんでしたが、2009 年に再接種が認可されました。接種後5年以上経過した高齢者や基礎疾患のある人には再接種が望ましいと思われます。また、2010年には小児用肺炎球菌ワ クチン
「プレベナーR」が市販され、細菌性髄膜炎などの肺炎球菌感染症を予防する目的で、乳幼児への接種が可能となりました。対象は生後2カ月~10歳未満。標 準接種回数は4回です。ニューモバックスはT細胞に依存しない免疫応答を惹起しますが、プレベナーはT細胞依存性の免疫応答を惹起し乳幼児において機能的 かつ有効な抗体産生を促す工夫がされています。小児の重症肺炎球菌感染症の予防効果が期待されています。お年寄りやお子さんのおられる方は、ワクチンの接 種を検討されてはいかかでしょうか。


 カルシウムは、自然界では石灰などに含まれている白い金属です。体内のカルシウムは体重の約2%(60kgの場合約1kg)でその99%が骨や歯に存在し ています。残りの1%は血液や筋肉、細胞外液に存在しており、血液凝固、筋肉収縮、神経の興奮の抑制といった働きをしています。カルシウムの血中濃度は厳 格に決まっており、足りなくなれば骨から溶け出し補っています。カルシウムが慢性的に不足すると、骨がスカスカになり骨折や骨粗鬆症を起こしやすくなった り、イライラする、怒りっぽくなるといった神経過敏な状態になることがあります。カルシウムは、年をとるにつれ吸収率が低下し、さらに女性ホルモンはカル シウムの吸収を助ける働きをするため、閉経後、女性ホルモンの分泌が低下する高齢の女性は特にカルシウムが不足しがちです。 カルシウム不足を防ぐには、まずはカルシウムを摂ることが大切です。ただし、カルシウムは吸収率が悪いため、吸収率をアップさせ骨に沈着させるのを助ける マグネシウムやビタミンD・Kも合わせて摂るとよいでしょう。カルシウムが豊富な食品は牛乳やチーズ、ヨーグルトといった乳製品、しらす干や頭から丸ごと 食べられる小魚などです。ビタミンDは鮭や青背の魚などの魚類に、ビタミンKは納豆や緑黄色野菜に、マグネシウムは豆腐や大豆製品に多く含まれています。 食品を組み合わせて食べるよう献立を工夫しましょう。  また、ミネラルにはお互いを牽制し合う「拮抗作用」があり、リンの摂り過ぎによってカルシウムの吸収が妨げられてしまいます。カルシウムは、日本人に不 足しがちな栄養素ですが、リンは保存性を高める目的で多くの加工食品に含まれています。現代の日本人は、昔ほど小魚を食べなくなり、手軽なインスタント食 品、スナック菓子、清涼飲料水などのリンを含む加工食品の摂取が増えたため、カルシウム不足になりやすい食生活になっています。


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 私達が普段何気なく行っている「食事」ですが嚥下障害の方にとって食事は体力を必要とする活動です。一歩間違えれば誤嚥性肺炎になり命を落としかねません。患者様が食事を安全に食べて頂けるようにする為に、どのような食べ物・介助法が良いのでしょうか。
 最初に食べ物ですが嚥下障害の方にとって食べやすい食物の条件として
①密度が均一である
②適度な粘度がありバラバラになりにくい
③変形しやすい
④べたつかないがあげられます。
適した食材の一例としてゼリー・プリン・ヨーグルト・卵豆腐等があります。これらは一塊となって送り込みを助け、通過する時に変形しやすく咽頭残留しにく いのです。ただし原材料が寒天の場合は変形せず砕けてしまう為注意が必要です。反対に嚥下に適さない食品として水分・ぱさつく物(魚、ゆで卵)・粒が残る 物(ピーナッツ、豆類)・繊維の多い物(小松菜、ゴボウ等)・喉に張り付く物(パン、焼き海苔等)があります。しかしあんかけにしたり、トロミ調整剤を混 ぜる等といった工夫をすることで食べやすくなるものもあります。
 次に介助方法ですが
①食事にかける時間は30分程度
②ベッドアップ30度以上仰臥位の姿勢で頸部前屈位
            (3~4横指程度のスペース)
③刺激を感じやすい冷たい物・味の濃い物等を提供する
④一回で嚥下できる一口量に調整する
⑤固形と液体物は別々に摂取する
⑥嚥下に意識を集中させる
⑦一口入れたら嚥下反射を確認し不十分なら再度嚥下させる
⑧咽頭残留がある時はトロミ茶等の嚥下しやすい食物で喉をきれいにする
⑨嚥下後の湿性嗄声を確認
⑩食後逆流予防の為30分以上は身体を起こす等に注意し摂取してもらうことが誤嚥予防になります。
患者様によって嚥下障害の原因は様々であり、一人一人対応は異なります。少しでも患者様の楽しみとしての「食事」になるよう心がけていきたいものです。

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